基本情報技術者試験など情報処理技術者試験を受験する方にとっては必須の,通信に関する理論についてシンプルにまとめています。符号化(エンコード,PCM),誤り制御(CRC方式(巡回冗長検査),パリティチェック方式(偶数パリティ,奇数パリティ,垂直パリティ,水平パリティ,垂直・水平パリティ),ハミング符号方式)について説明しています。じっくり頑張りましょう。
符号化(エンコード)
符号化とは,ある情報を,一定の規則に従い復元(デコード)可能な別の形式に変換することをいいます。アナログ信号をディジタル信号に変換することや,データを圧縮・暗号化することなどが該当します。
※ 完全に復元(デコード)できない方式もある
PCM(Pulse Code Modulation;パルス符号変調)
PCMは,音声情報などのアナログ信号をディジタル信号に変換する方式です。
誤り制御
CRC(Cyclic Redundancy Check)方式(巡回冗長検査)
CRC方式の場合は,バースト誤り(連続した誤り)を検出できます。
※ 誤りを検出するのみで,訂正はできない
データの送信
データの送信時には,送信データにCRC符号を付加します。
※ CRC符号…送信データ(ビット列)を適当な生成多項式で割った余り
データの受信
受信したビット列は,同じ(送信時に使用した)生成多項式で割り,割り切れるか否かで,誤りの有無を判断します。
誤りなしの場合
誤りありの場合
パリティチェック方式
パリティチェック方式の場合は,送信データにパリティビットを付加することで誤りを検出できます。パリティビットの付け方には,次の方式があります。
偶数パリティ
1の数が偶数個になるようにパリティビットを付ける
奇数パリティ
1の数が奇数個になるようにパリティビットを付ける
垂直パリティと水平パリティ
垂直パリティの場合は,送信データそれぞれに対してパリティビットを付加します。水平パリティの場合は,各データブロックのそれぞれに対してパリティビットを付加します。
※ 誤りを検出するのみで,訂正することはできない
データの送信(垂直パリティチェック方式,偶数パリティの場合)
データの受信(垂直パリティチェック方式,偶数パリティの場合)
垂直・水平パリティ
垂直・水平パリティの場合はパリティビットを2方向に付加しますので,誤りが1ビットであれば,検出だけでなく訂正も可能です。
データの送信(奇数パリティの場合)
データの受信(奇数パリティの場合)
ハミング符号方式
ハミング符号方式の場合は,送信データ(情報ビット)に冗長ビットを付加することで,2ビットまでの誤りを検出できます。1ビットの誤りであれば訂正も可能です。
※ ハミング符号方式は,(コンピューターの)メモリアクセスで利用されている
データの送信
データの受信
まとめ
今回は,通信に関する理論について,シンプルにまとめてみました。確実に理解できるよう頑張りましょう。