情報処理技術者試験(今のところは基本情報技術者試験)の過去問(システム構成要素-システムの性能評価と信頼性)を集めて,シンプルにまとめています。トランザクション処理能力(TPS),オンラインリアルタイムシステム(応答時間,サーバ処理時間,回線伝送時間,端末処理時間),システムの性能評価指標(スループット,ターンアラウンドタイム(レスポンスタイム(CPU時間,処理待ち時間),入出力時間,オーバヘッド時間)),システムの性能評価方法(ベンチマークテスト),キャパシティプランニング(キャパシティプランニングの作業項目の順序,スケールアウト),コンピュータシステムのライフサイクル(バスタブ曲線(故障率曲線),初期故障期間,偶発故障期間,摩耗故障期間),RASIS(信頼性,可用性など),稼働率(MTBF,MTTR,直列システムの稼働率,並列システムの稼働率)について,理解度を確認することができます。解けなかった問題や,完全に理解できていない問題については,【参考】にあるリンク先ページを読んで,もう一度,解いてみてください。難しい問題もあると思いますが,繰り返し解くことにより,だんだんと身に付いてきますので,根気よく頑張りましょう。
- 平成28年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問13
- 平成25年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問16
- 平成26年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
- 平成22年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
- 平成24年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問19
- 平成21年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問18
- 平成25年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問9
- 平成23年度 基本情報技術者試験 特別 午前 問19
- 平成21年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問17
- 平成22年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問17
- 平成27年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
- 平成25年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
- 平成29年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問13
- 平成24年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問18
- 平成30年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問14
- 平成25年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
- 平成31年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
- 平成25年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問17
- 平成28年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
- 平成30年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
- 平成29年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問12
- 平成26年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
- 平成21年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問56
- 平成21年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問17
- 平成22年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問17
- 平成27年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問16
- 平成24年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
- 平成27年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問14
- 平成23年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問18
- 平成28年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
- 平成25年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問14
- 平成29年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
- 平成25年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
- 平成23年度 基本情報技術者試験 特別 午前 問16
- 平成28年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
- 平成27年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
- 令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
- 平成27年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
- 平成30年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
- 平成23年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問19
- 平成26年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問14
- 平成21年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問16
- 平成21年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
- 平成29年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
- 平成22年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問19
- 平成24年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
- 平成22年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問16
- (令和4年度) 基本情報技術者試験 サンプル問題 科目A 問14
- 平成31年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
- 平成28年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
- 平成24年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問17
- まとめ
平成28年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問13
問 システムが単位時間内にジョブを処理する能力の評価尺度はどれか。
ア MIPS値 | イ 応答時間 |
ウ スループット | エ ターンアラウンドタイム |
【解答】ウ
【解説】
■ スループット
システムが単位時間当たりに処理できる件数や,通信回線が単位時間当たりに伝送できる実効伝送量のことをいう。スループットを上げるためには,ハードウェアの処理能力を高くすればよいが,それ以外にも,CPUの遊休時間を減らしたり,システムにかかる余分な負荷(オーバーヘッド)を減らしたりなど,その他の影響についても対応する必要がある。
※ 単位時間とは,基準となる時間の長さのことをいう。たとえば,単位時間を1秒とした場合,ある物体が単位時間当たりに10m進んだとすると,その物体の速さは10m/sになる。
平成25年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問16
問 コンピュータシステムによって単位時間当たりに処理される仕事の量を表す用語はどれか。
ア スループット | イ ターンアラウンドタイム |
ウ タイムスライス | エ レスポンスタイム |
【解答】ア
【解説】
■ スループット
システムが単位時間当たりに処理できる件数や,通信回線が単位時間当たりに伝送できる実効伝送量のことをいう。スループットを上げるためには,ハードウェアの処理能力を高くすればよいが,それ以外にも,CPUの遊休時間を減らしたり,システムにかかる余分な負荷(オーバーヘッド)を減らしたりなど,その他の影響についても対応する必要がある。
※ 単位時間とは,基準となる時間の長さのことをいう。たとえば,単位時間を1秒とした場合,ある物体が単位時間当たりに10m進んだとすると,その物体の速さは10m/sになる。
■ タイムスライス
マルチタスクシステムなどで,各タスクに割り当てられる時間単位のこと。
平成26年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
問 スループットに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア ジョブの終了と次のジョブの開始との間にオペレータが介入することによってシステムに遊休時間が生じても,スループットには影響を及ぼさない。
イ スループットはCPU性能の指標であり,入出力の速度,オーバヘッド時間などによって影響を受けない。
ウ 多重プログラミングはターンアラウンドタイムの短縮に貢献するが,スループットの向上には役立たない。
エ プリンタへの出力を一時的に磁気ディスク装置に保存するスプーリングは,スループットの向上に役立つ。
【解答】エ
【解説】
■ スループット
システムが単位時間当たりに処理できる件数や,通信回線が単位時間当たりに伝送できる実効伝送量のことをいう。スループットを上げるためには,ハードウェアの処理能力を高くすればよいが,それ以外にも,CPUの遊休時間を減らしたり,システムにかかる余分な負荷(オーバーヘッド)を減らしたりなど,その他の影響についても対応する必要がある。
※ 単位時間とは,基準となる時間の長さのことをいう。たとえば,単位時間を1秒とした場合,ある物体が単位時間当たりに10m進んだとすると,その物体の速さは10m/sになる。
スプーリングについては,下記【参考】のリンク先を参照
平成22年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
問 一つのジョブについての,ターンアラウンドタイム,CPU時間,入出力時間及び処理待ち時間の四つの時間の関係を表す式はどれか。ここで,ほかのオーバヘッド時間は考慮しないものとする。
ア 処理待ち時間=CPU時間+ターンアラウンドタイム+入出力時間
イ 処理待ち時間=CPU時間-ターンアラウンドタイム+入出力時間
ウ 処理待ち時間=ターンアラウンドタイム-CPU時間-入出力時間
エ 処理待ち時間=入出力時間-CPU時間-ターンアラウンドタイム
【解答】ウ
【解説】
■ ターンアラウンドタイム
コンピューターにジョブの投入(処理の依頼)を行ってから,結果が完全に得られるまで(出力されるまで)の時間のことをいう。
ターンアラウンドタイム
=入力時間+レスポンスタイム(CPU時間+処理待ち時間)+出力時間+オーバーヘッド時間
※ オーバーヘッド時間とは,余分にかかる時間のことをいう。
平成24年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問19
問 オンラインリアルタイム処理における一つのトランザクションについて,端末側で応答時間,回線伝送時間,端末処理時間が測定できるとき,サーバ処理時間を求める式として適切なものはどれか。ここで,他のオーバヘッドは無視するものとする。
ア サーバ処理時間=応答時間+回線伝送時間+端末処理時間
イ サーバ処理時間=応答時間+回線伝送時間-端末処理時間
ウ サーバ処理時間=応答時間-回線伝送時間+端末処理時間
エ サーバ処理時間=応答時間-回線伝送時間-端末処理時間
【解答】エ
【解説】
■ オンラインリアルタイムシステムでの処理の流れ
① クライアントでの情報入力作業
② クライアントが①の情報をサーバに送信
③ サーバーが届いた情報を基に処理を行う
④ サーバーが③の結果をクライアントに送信
⑤ クライアントは届いた結果を表示する
【参考】 |
平成21年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問18
問 プログラムのCPU実行時間が300ミリ秒,入出力時間が600ミリ秒,その他のオーバヘッドが100ミリ秒の場合,ターンアラウンドタイムを半分に改善するには,入出力時間を現在の何倍にすればよいか。
ア 16 | イ 14 | ウ 13 | エ 12 |
【解答】ア
【解説】
現在のターンアラウンドタイムは,
600ミリ秒(入出力時間)+300ミリ秒(CPU実行時間)+100ミリ秒(その他のオーバヘッド)
=1,000ミリ秒
である。これを,入出力時間のみの改善で,半分の500ミリ秒にするためには,入出力時間を,
500ミリ秒-300ミリ秒(CPU実行時間)-100ミリ秒(その他のオーバヘッド)
=100ミリ秒(現在の16倍)
にする必要がある。
■ ターンアラウンドタイム
コンピューターにジョブの投入(処理の依頼)を行ってから,結果が完全に得られるまで(出力されるまで)の時間のことをいう。
ターンアラウンドタイム
=入力時間+レスポンスタイム(CPU時間+処理待ち時間)+出力時間+オーバーヘッド時間
※ オーバーヘッド時間とは,余分にかかる時間のことをいう。
平成25年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問9
問 1件のトランザクションについて80万ステップの命令実行を必要とするシステムがある。プロセッサの性能が200MIPSで,プロセッサの使用率が80%のときのトランザクションの処理能力(件/秒)は幾らか。
ア 20 | イ 200 | ウ 250 | エ 313 |
【解答】イ
【解説】
トランザクション処理能力は,
200MIPS × 0.8 ÷ 80万ステップ
= 200,000,000 × 0.8 ÷ 800,000
= 200(件/秒)
となる。
■ MIPS
MIPSとは,1秒間に実行できる命令数を100万単位で表したものである
平成23年度 基本情報技術者試験 特別 午前 問19
問 Webサーバとデータベースサーバ各1台で構成されているシステムがある。次の運用条件の場合,このシステムでは最大何TPS処理できるか。ここで,各サーバのCPUは,1個とする。
〔運用条件〕
(1) トランザクションは,Webサーバを経由し,データベースサーバでSQLが実行される。
(2) Webサーバでは,1トランザクション当たり,CPU時間を1ミリ秒使用する。
(3) データベースサーバでは,1トランザクション当たり,データベースの10データブロックにアクセスするSQLが実行される。1データブロックのアクセスに必要なデータベースサーバのCPU時間は,0.2ミリ秒である。
(4) CPU使用率の上限は,Webサーバが70%,データベースサーバが80%である。
(5) トランザクション処理は,CPU時間だけに依存し,Webサーバとデータベースサーバは互いに独立して処理を行うものとする。
ア 400 | イ 500 | ウ 700 | エ 1,100 |
【解答】ア
【解説】
WebサーバのTPSは,
1トランザクション ÷ 1ミリ秒 × 0.7
= 1 ÷ 0.001 × 0.7
= 700TPS
である。また,データベースサーバのTPSは,
1トランザクション ÷ (10データブロック × 0.2ミリ秒) × 0.8
=1 ÷ 0.02 × 0.8
=400TPS
である。よって,システム全体では,処理件数の少ないほうになるので,
400TPS
となる。
■ TPS(Transaction Per Second)
1秒間に処理できるトランザクション数
平成21年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問17
問 オンラインシステムにおいて,1トランザクションの処理に平均60万命令を実行し,平均2回のファイルアクセスが必要であるとき,CPU性能が30MIPSであるコンピュータの1トランザクションの平均処理時間は何ミリ秒か。ここで、ファイルの平均アクセス時間は30ミリ秒とし,当該トランザクション以外の処理は発生しないものとする。
ア 8 | イ 40 | ウ 62 | エ 80 |
【解答】エ
【解説】
1トランザクションの処理にかかる時間は,
60万命令 ÷ 30MIPS
= 600,000 ÷ 30,000,000
= 150 = 0.02秒(20ミリ秒)
である。また,ファイルアクセス(1トランザクション)にかかる時間は,
30ミリ秒 × 2回 = 60ミリ秒
である。よって,1トランザクションの平均処理時間は,
20ミリ秒 + 60ミリ秒 = 80ミリ秒
となる。
■ MIPS
MIPSとは,1秒間に実行できる命令数を100万単位で表したものである
平成22年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問17
問 あるオンラインリアルタイムシステムでは,20件/秒の頻度でトランザクションが発生する。このトランザクションはCPU処理と4回の磁気ディスク入出力処理を経て終了する。磁気ディスク装置の入出力処理時間は40ミリ秒/回であり,CPU処理時間は十分に短いものとする。それぞれの磁気ディスク装置が均等にアクセスされるとしたとき,このトランザクション処理には最低何台の磁気ディスク装置が必要か。
ア 3 | イ 4 | ウ 5 | エ 6 |
【解答】イ
【解説】
磁気ディスク装置1台が1秒間に入出力処理できる回数は,
1 ÷ 40ミリ秒 = 25回
である。また,このオンラインリアルタイムシステムで発生する1秒間の入出力処理の回数は,
20件/秒 × 4回 = 80回
である。よって,このトランザクション処理に必要な磁気ディスク装置の台数は,
80回 ÷ 25回 = 3.2台 ⇒ 4台
となる。
平成27年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
問 オンラインリアルタイムシステムにおけるCPUの使用率と平均応答時間の関係を表したグラフとして,適切なものはどれか。ここで,トランザクションの発生はポアソン分布に従い,その処理時間は指数分布に従うものとする。
ア | イ |
ウ | エ |
【解答】ア
【解説】
CPU使用率が上がると,平均応答時間は急激に増える。
平成25年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
問 コンピュータシステムのベンチマークテストの説明として,最も適切なものはどれか。
ア 1命令の実行に要する平均時間から,コンピュータの性能を測る。
イ システムが連続して稼働する時間の割合を測定し,他の製品と比較する。
ウ 想定されるトランザクション量にシステムが耐えられるかどうかを判定する。
エ 測定用のソフトウェアを実行し,システムの処理性能を数値化して,他の製品と比較する。
【解答】エ
【解説】
■ ベンチマーク
システムの性能を評価するために行うテストのことをいう。システムの使用目的に合わせて,さまざまなテスト用のプログラムを実行することにより,システムの性能を把握することができる。また,異なるシステムでテストすることにより,性能を比較することもできる。
平成29年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問13
平成24年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問18
問 ベンチマークテストの説明として,適切なものはどれか。
ア 監視・計測用のプログラムによってシステムの稼働状態や資源の状況を測定し,システム構成や応答性能のデータを得る。
イ 使用目的に合わせて選定した標準的なプログラムを実行させ,システムの処理性能を測定する。
ウ 将来の予測を含めて評価する場合などに,モデルを作成して模擬的に実験するプログラムでシステムの性能を評価する。
エ プログラムを実際には実行せずに,机上でシステムの処理を解析して,個々の命令の出現回数や実行回数の予測値から処理時間を推定し,性能を評価する。
【解答】イ
【解説】
■ ベンチマーク
システムの性能を評価するために行うテストのことをいう。システムの使用目的に合わせて,さまざまなテスト用のプログラムを実行することにより,システムの性能を把握することができる。また,異なるシステムでテストすることにより,性能を比較することもできる。
ア モニタリング
ウ シミュレーション
平成30年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問14
問 稼働状況が継続的に監視されているシステムがある。稼働して数年後に新規業務をシステムに適用する場合に実施する,キャパシティプランニングの作業項目の順序として,適切なものはどれか。
〔キャパシティプランニングの作業項目〕
① システム構成の案について,適正なものかどうかを評価し,必要があれば見直しを行う。
② システム特性に合わせて,サーバの台数,並列分散処理の実施の有無など,必要なシステム構成の案を検討する。
③ システムの稼働状況から,ハードウェアの性能情報やシステム固有の環境を把握する。
④ 利用者などに新規業務をヒアリングし,想定される処理件数や処理に要する時間といったシステムに求められる要件を把握する。
ア ③,②,④,① | イ ③,④,②,① |
ウ ④,②,①,③ | エ ④,③,①,② |
【解答】イ
【解説】
■ キャパシティプランニング
現在だけでなく将来予測される水準にも対応できるように,システム構成を計画することをいう。
● キャパシティプランニング実施の流れ
① 現行システムの測定を行い処理能力を把握する
② 将来予測される端末や利用者の増加数などを予測する
③ ②の見積もりから,システムの限界時期を予測する
④ サーバーの台数やCPUの性能,ストレージの容量などを見積もる
⑤ 作成した案の評価,見直しを行う
平成25年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
問 キャパシティプランニングにおける作業を,実施する順序に並べたものはどれか。
〔作業項目〕
① CPU増設,磁気ディスク増設,メモリ増設などを検討する。
② 応答時間,システム資源の要求量などの増加から,システム能力の限界時期を検討する。
③ 稼働状況データ,磁気ディスク使用量,トランザクション数などの基礎数値を把握する。
④ 端末増設計画,利用者数の増加などを検討する。
ア ②,④,③,① | イ ③,②,④,① |
ウ ③,④,②,① | エ ④,②,①,③ |
【解答】ウ
【解説】
■ キャパシティプランニング
現在だけでなく将来予測される水準にも対応できるように,システム構成を計画することをいう。
● キャパシティプランニング実施の流れ
① 現行システムの測定を行い処理能力を把握する
② 将来予測される端末や利用者の増加数などを予測する
③ ②の見積もりから,システムの限界時期を予測する
④ サーバーの台数やCPUの性能,ストレージの容量などを見積もる
⑤ 作成した案の評価,見直しを行う
平成31年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
平成25年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問17
問 アプリケーションの変更をしていないにもかかわらず,サーバのデータベース応答性能が悪化してきたので,表のような想定原因と,特定するための調査項目を検討した。調査項目cとして,適切なものはどれか。
ア 遅い処理の特定
イ 外的要因の変化の確認
ウ キャッシュメモリのヒット率の調査
エ データの格納状況の確認
【解答】エ
【解説】
ア 調査項目b
イ 調査項目a
ウ 調査項目d
平成28年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
問 ある時間帯でのジョブの処理状況を計測したところ,次のとおりであった。どのような状況になっているか。
〔ジョブの処理状況〕
(1) 多重度3でジョブを実行する。
(2) ジョブは5分間隔で発生し,実行時間は多重度に依存せず20分である。
(3) 各ジョブは実行終了後にスプーリング機能を利用して印刷し,印刷時間は15分である。
(4) プリンタは2台使用する。
ア 印刷待ちだけが増加している。
イ 実行待ちだけが増加している。
ウ 実行待ちと印刷待ちが増加している。
エ 実行待ちも印刷待ちも発生していない。
【解答】ウ
【解説】
まず,ジョブについては,1分間に,
3(件)÷ 20(分)= 320(件/分)
のジョブを実行できるが,ジョブの発生件数は,1分間に,
15(件/分)
なので,
ジョブの実行件数(320件/分) < ジョブの発生件数(15=420件/分)
となり,実行待ちのジョブが増えることがわかる。
一方,印刷については,1分間に,
2(件)÷ 15(分)= 215(件/分)
の印刷を実行できるが,印刷の発生件数(印刷はジョブの終了後に行われるので)は,
320(件/分)
なので,
印刷の実行件数(215=860件/分) < 印刷の発生件数(320=960件/分)
となり,印刷待ちのジョブが増えることがわかる。
平成30年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
問 システムのスケールアウトに関する記述として,適切なものはどれか。
ア 既存のシステムにサーバを追加導入することによって,システム全体の処理能力を向上させる。
イ 既存のシステムのサーバの一部又は全部を,クラウドサービスなどに再配置することによって,システム運用コストを下げる。
ウ 既存のシステムのサーバを,より高性能なものと入れ替えることによって,個々のサーバの処理能力を向上させる。
エ 一つのサーバをあたかも複数のサーバであるかのように見せることによって,システム運用コストを下げる。
【解答】ア
【解説】
■ スケールアップ
サーバーのハードウェアを高性能なものにする(個々のサーバーの性能を高める)方法をいう。
- 高性能なCPUを搭載する
- 大容量メモリを搭載する
※ 並列分散処理が困難なシステムに適している
■ スケールアウト
サーバーの台数を増やして性能を高める方法をいう。
- Webサーバーの台数を増やす
※ 分散処理が可能なシステムに適している
※ 障害発生時には,障害箇所を切り離すことにより稼働を継続できる(フォールバック(縮退運転))
イ クラウドコンピューティング
ウ スケールアップ
平成29年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問12
問 システムの性能を向上させるために,スケールアウトが適しているシステムはどれか。
ア 一連の大きな処理を一括して実行しなければならないので,並列処理が困難な処理が中心のシステム
イ 参照系のトランザクションが多いので,複数のサーバで分散処理を行っているシステム
ウ データを追加するトランザクションが多いので,データの整合性を取るためのオーバヘッドを小さくしなければならないシステム
エ 同一のマスタデータベースがシステム内に複数配置されているので,マスタを変更する際にはデータベース間で整合性を保持しなければならないシステム
【解答】イ
【解説】
■ スケールアップ
サーバーのハードウェアを高性能なものにする(個々のサーバーの性能を高める)方法をいう。
- 高性能なCPUを搭載する
- 大容量メモリを搭載する
※ 並列分散処理が困難なシステムに適している
■ スケールアウト
サーバーの台数を増やして性能を高める方法をいう。
- Webサーバーの台数を増やす
※ 分散処理が可能なシステムに適している
※ 障害発生時には,障害箇所を切り離すことにより稼働を継続できる(フォールバック(縮退運転))
平成26年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
問 コンピュータシステムのライフサイクルを故障の面から,初期故障期間,偶発故障期間,摩耗故障期間の三つの期間に分類するとき,初期故障期間の対策に関する記述として,最も適切なものはどれか。
ア 時間計画保全や状態監視保全を実施する。
イ システムを構成するアイテムの累積動作時間によって経時保全を行う。
ウ 設計や製造のミスを減らすために,設計審査や故障解析を強化する。
エ 部品などの事前取替えを実施する。
【解答】ウ
【解説】
■ バスタブ曲線(故障率曲線)
システムの故障率と使用時間の関係は,下図のように(バスタブのような形に)なるといわれている。
初期故障期間 | 設計や製造時の欠陥による故障が発生する期間。改修するにつれて障害の発生頻度は減少していく |
偶発故障期間 | システムの安定期に発生する偶発的な故障が発生する期間 |
摩耗故障期間 | システムを構成する部品の摩耗や老朽化により故障が増えていく期間。ソフトウェアについても,仕様変更や機能の追加などによりバグが増えやすくなる。新品と交換する方が経済的な場合が多い |
ア,イ 偶発故障期間の対策
エ 摩耗故障期間の対策
平成21年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問56
問 システムの信頼性を比較する目的で稼働率を測定するのに適切な時期はどれか。
ア システムの運用を開始した直後に発生したトラブルが解決されて安定してきた時期
イ システムの運用を開始した時
ウ システムリリースの可否を判断する時期
エ 長期間のシステム利用を経て,老朽化によるトラブルが増え始めた時期
【解答】ア
【解説】
■ バスタブ曲線(故障率曲線)
システムの故障率と使用時間の関係は,下図のように(バスタブのような形に)なるといわれている。
初期故障期間 | 設計や製造時の欠陥による故障が発生する期間。改修するにつれて障害の発生頻度は減少していく |
偶発故障期間 | システムの安定期に発生する偶発的な故障が発生する期間 |
摩耗故障期間 | システムを構成する部品の摩耗や老朽化により故障が増えていく期間。ソフトウェアについても,仕様変更や機能の追加などによりバグが増えやすくなる。新品と交換する方が経済的な場合が多い |
イ 初期故障が多いので,信頼性を比較する目的では測定できない
エ 老朽化に伴う故障が多いので,信頼性を比較する目的では測定できない
平成21年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問17
問 システムの信頼性を表す指標であるRASのうち,可用性(Availability)を表す尺度はどれか。
ア 稼働率( MTBFMTBF+MTTR ) | イ 全運転時間(MTBF+MTTR) |
ウ 平均故障間隔(MTBF) | エ 平均修理時間(MTTR) |
【解答】ア
【解説】
可用性を表す指標は稼働率なので,
稼働率 = MTBFMTBF+MTTR
となる。
平成22年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問17
問 システムが時間とともに図のように故障と回復を繰り返した。このとき,RASISの信頼性(Reliability)と可用性(Availability)を表す指標の組合せとして,適切なものはどれか。ここで,,
とする。
信頼性 | 可用性 | |
ア | T | S |
イ | T | T /(T + S) |
ウ | T + S | S |
エ | T + S | T /(T + S) |
【解答】イ
【解説】
信頼性を表す指標は,MTBF(平均故障間隔)なので,
MTBF =(t1 + t2 + … + tn)÷ n = T
となる。また,可用性を表す指標は稼働率なので,MTTR =(s1 + s2 + … + sn)÷ n = S より,
稼働率 = MTBFMTBF+MTTR = TT + S
となる。
平成27年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問16
平成24年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
問 コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア システムの遠隔保守は,MTTRを長くし,稼働率を向上させる。
イ システムの稼働率は,MTTRとMTBFを長くすることによって向上する。
ウ システムの構成が複雑なほど,MTBFは長くなる。
エ システムの予防保守は,MTBFを長くするために行う。
【解答】エ
【解説】
■ MTBF(Mean Time Between Failure;平均故障間隔)
MTBFの値が大きいほど信頼性が高く(故障しにくく)なる。MTBFの値は,予防保守をすることにより大きくすることができる。
■ MTTR(Mean Time To Repair;平均修理時間)
MTTRの値が小さいほど保守性がよいといえる。MTTRの値は,エラーログなどがあれば,短くすることができる。
稼働率=MTBFMTBF+MTTR
MTBF(平均故障間隔)=稼働時間の合計故障した回数
MTTR(平均修理間隔)=故障時間の合計故障した回数
ア 遠隔保守によりMTTRは短くなる
イ システムの稼働率を長くするには,MTBFを長くして,MTTRを短くする
ウ システムの構成が複雑なほど,MTBFは短くなる
平成27年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問14
平成23年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問18
問 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
ア エラーログや命令トレースの機能によって,MTTRは長くなる。
イ 遠隔保守によって,システムのMTBFは短くなり,MTTRは長くなる。
ウ システムを構成する装置の種類が多いほど,システムのMTBFは長くなる。
エ 予防保守によって,システムのMTBFは長くなる。
【解答】エ
【解説】
■ MTBF(Mean Time Between Failure;平均故障間隔)
MTBFの値が大きいほど信頼性が高く(故障しにくく)なる。MTBFの値は,予防保守をすることにより大きくすることができる。
■ MTTR(Mean Time To Repair;平均修理時間)
MTTRの値が小さいほど保守性がよいといえる。MTTRの値は,エラーログなどがあれば,短くすることができる。
稼働率=MTBFMTBF+MTTR
MTBF(平均故障間隔)=稼働時間の合計故障した回数
MTTR(平均修理間隔)=故障時間の合計故障した回数
ア エラーログや命令トレースの機能により故障原因が特定されるので,MTTRは短くなる。
イ 遠隔保守では,MTTRを短くすることができる。
ウ 装置の種類が多いほど,MTBFは短くなる。
平成28年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
問 システムの稼働率に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア MTBFが異なってもMTTRが等しければ,システムの稼働率は等しい。
イ MTBFとMTTRの和が等しければ,システムの稼働率は等しい。
ウ MTBFを変えずにMTTRを短くできれば,システムの稼働率は向上する。
エ MTTRが変わらずMTBFが長くなれば,システムの稼働率は低下する。
【解答】ウ
【解説】
■ MTBF(Mean Time Between Failure;平均故障間隔)
MTBFの値が大きいほど信頼性が高く(故障しにくく)なる。MTBFの値は,予防保守をすることにより大きくすることができる。
■ MTTR(Mean Time To Repair;平均修理時間)
MTTRの値が小さいほど保守性がよいといえる。MTTRの値は,エラーログなどがあれば,短くすることができる。
稼働率=MTBFMTBF+MTTR
MTBF(平均故障間隔)=稼働時間の合計故障した回数
MTTR(平均修理間隔)=故障時間の合計故障した回数
エ MTTRが変わらずMTBFが長くなれば,システムの稼働率は向上する
平成25年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問14
問 MTBFが21万時間の磁気ディスク装置がある。この装置100台から成る磁気ディスクシステムを1週間に140時間運転したとすると,平均何週間に1回の割合で故障を起こすか。ここで,磁気ディスクシステムは,信頼性を上げるための冗長構成は採っていないものとする。
ア 13 | イ 15 | ウ 105 | エ 300 |
【解答】イ
【解説】
磁気ディスク装置1台のMTBFは21万時間なので,磁気ディスクシステム全体のMTBFは,
210,000(時間)÷ 100(台)= 2,100時間
となる。このシステムは1週間に140時間運転するので,
2,100(時間)÷ 140(時間)= 15(週)
となり,15週間に1回故障することになる。
平成29年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
平成25年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
問 MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
ア 0.81 | イ 0.90 | ウ 0.95 | エ 0.99 |
【解答】ア
【解説】
装置1台の稼働率は,
稼働率 = MTBFMTBF+MTTR = 4545+5 = 910(0.9)
なので,この装置2台を直列に接続した場合の稼働率は,
0.9 × 0.9 = 0.81
となる。
平成23年度 基本情報技術者試験 特別 午前 問16
問 装置aとbのMTBFとMTTRが表のとおりであるとき,aとbを直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
ア 0.72 | イ 0.80 | ウ 0.85 | エ 0.90 |
【解答】ア
【解説】
各装置の稼働率は,
装置a:8080+20 = 45
装置b:180180+20 = 910
なので,この装置2台を直列に接続した場合の稼働率は,
45 × 910 = 1825(0.72)
となる。
平成28年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
問 2台のコンピュータを並列に接続して使うシステムがある。それぞれのMTBFとMTTRを次の表に示す。どちらか1台が稼働していればよい場合,システム全体の稼働率は何%か。
ア 91.2 | イ 95.5 | ウ 96.5 | エ 99.8 |
【解答】エ
【解説】
各コンピュータの稼働率は,
コンピュータ1:480480+20 = 2425
コンピュータ2:950950+50 = 1920
である。2台のコンピュータのうち,どちらか1台が稼働していればよい(並列接続の)場合の稼働率は,
1 - (1 - 2425)(1 - 1920)
※ 1(100%)から,両方のシステムが故障する確率(故障率)を引けばよい。
= 1 - 125 × 120
= 1 - 1500
= 1 - 0.002
= 0.998
となる。
平成27年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問15
問 稼働率が最も高いシステム構成はどれか。ここで,並列に接続したシステムは,少なくともそのうちのどれか一つが稼働していればよいものとする。
ア 稼働率70%の同一システムを四つ並列に接続
イ 稼働率80%の同一システムを三つ並列に接続
ウ 稼働率90%の同一システムを二つ並列に接続
エ 稼働率99%の単一システム
【解答】イ
【解説】
それぞれの稼働率を求めると,
ア 1 - (1 - 0.7)4 = 1 - 0.34 = 1 - 0.0081 = 0.9919
※ 1(100%)から,4台すべてのシステムが故障する確率(故障率)を引く。
イ 1 - (1 - 0.8)3 = 1 - 0.23 = 1 - 0.008 = 0.992
※ 1(100%)から,3台すべてのシステムが故障する確率(故障率)を引く。
ウ 1 - (1 - 0.9)2 = 1 - 0.12 = 1 - 0.01 = 0.99
※ 1(100%)から,両方のシステムが故障する確率(故障率)を引く。
エ 0.99
となる。
令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
平成27年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
問 2台の処理装置から成るシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率と,2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率の差は幾らか。ここで,処理装置の稼働率はいずれも0.9とし,処理装置以外の要因は考慮しないものとする。
ア 0.09 | イ 0.10 | ウ 0.18 | エ 0.19 |
【解答】ウ
【解説】
まず,2台の処理装置のうち,少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率は,並列接続であると考えられるので,
1 - (1 - 0.9)2
= 1 - 0.01
= 0.99
※ (1 - 0.9) は,処理装置(1台)の故障率で,(1 - 0.9)2 は,処理装置が2台とも故障している確率である。
となる。一方,2台の処理装置が両方とも正常に動作しなければならないときの稼働率は,直列接続であると考えられるので,
0.9 × 0.9 = 0.81
となる。よって,稼働率の差は,
0.99 - 0.81 = 0.18
となる。
平成30年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
平成23年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問19
問 東京と福岡を結ぶ実線の回線がある。東京と福岡の間の信頼性を向上させるために,大阪を経由する破線の迂回回線を追加した。迂回回線追加後における,東京と福岡の間の稼働率は幾らか。ここで,回線の稼働率は,東京と福岡,東京と大阪,大阪と福岡の全てが0.9とする。
ア 0.729 | イ 0.810 | ウ 0.981 | エ 0.999 |
【解答】ウ
【解説】
大阪を経由する迂回回線の稼働率は,直列接続であるので,
0.9 × 0.9 = 0.81
となる。よって,迂回回線追加後の全体の稼働率は,並列接続であると考えられるので,
1 - (1 - 0.9)(1 - 0.81)
= 1 - 0.019
= 0.981
※ (1 - 0.9)は東京と福岡の間の回線の故障率で,(1 - 0.81) は大阪を経由する迂回回線の故障率で,(1 - 0.9)(1 - 0.81)は,両方の回線が故障している確率である。
となる。
平成26年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問14
平成21年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問16
問 東京~大阪及び東京~名古屋がそれぞれ独立した通信回線で接続されている。東京~大阪の稼働率は0.9,東京~名古屋の稼働率は0.8である。東京~大阪の稼働率を0.95以上に改善するために,大阪~名古屋にバックアップ回線を新設することを計画している。新設される回線の稼働率は,最低限幾ら必要か。
ア 0.167 | イ 0.205 | ウ 0.559 | エ 0.625 |
【解答】エ
【解説】
名古屋を経由するバックアップ回線の稼働率は,直列接続であるので,名古屋~大阪の稼働率をxとした場合,
0.8 × x = 0.8x
となる。よって,バックアップ回線新設後の全体の稼働率は,並列接続であると考えられ,全体の稼働率は0.95以上に改善したいので,
1 - (1 - 0.9)(1 - 0.8x) ≧ 0.95
1 - 0.1 × (1 - 0.8x) ≧ 0.95
1 - 0.1 + 0.08x ≧ 0.95
0.9 + 0.08x ≧ 0.95
0.08x ≧ 0.05
8x ≧ 5
x ≧ 58(=0.625)
※ (1 - 0.9)は東京~大阪の回線の故障率で,(1 - 0.8x) は名古屋を経由するバックアップ回線の故障率で,(1 - 0.9)(1 - 0.8x)は,両方の回線が故障している確率である。
となる。
平成21年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問16
問 3台のコンピュータA~Cが図のように接続されている場合,システム全体の稼働率は幾らか。ここで,A~Cの稼働率は,すべて0.8とする。また,コンピュータA,Bによって構成されている並列接続部分については,A,Bのいずれか1台でも稼働していれば,当該部分は稼働しているものとする。
ア 0.512 | イ 0.768 | ウ 0.928 | エ 0.992 |
【解答】イ
【解説】
図より,並列部分(コンピュータA,Bによって構成されている部分)の稼働率は,
1 - (1 - 0.8)2 = 1 - 0.22 = 1 - 0.04 = 0.96
※ (1 - 0.8) は,コンピュータ1台の故障率で,(1 - 0.8)2 は,コンピュータが2台とも故障している確率である。
である。この並列部分とコンピュータCは直列に接続されているので,全体の稼働率は,
0.96 × 0.8 = 0.768
となる。
平成29年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
問 稼働率Rの装置を図のように接続したシステムがある。このシステム全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,並列に接続されている部分はどちらかの装置が稼働していればよく,直列に接続されている部分は両方の装置が稼働していなければならない。
ア (1 - (1 - R2))2 | イ 1 - (1 - R2)2 |
ウ (1 - (1 - R)2)2 | エ 1 - (1 - R)4 |
【解答】ウ
【解説】
図より,それぞれの並列部分の稼働率は,
1 - (1 - R)2
※ (1 - R) は,装置1台の故障率で,(1 - R)2 は,装置が2台とも故障している確率である。
である。この並列部分は直列に接続されているので,全体の稼働率は,
(1 - (1 - R)2)2
となる。
平成22年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問19
問 四つの装置A~Dで構成されるシステム全体の稼働率として,最も近いものはどれか。ここで,各装置の稼働率は,AとCが0.9,BとDが0.8とする。また,並列接続部分については,いずれか一方が稼働しているとき,当該並列部分は稼働しているものとする。
ア 0.72 | イ 0.92 | ウ 0.93 | エ 0.95 |
【解答】エ
【解説】
それぞれの並列部分の稼働率は,
AとCの部分:1 - (1 - 0.9)2 = 1 - 0.12 = 1 - 0.01 = 0.99
※ (1 - 0.9) は,装置1台の故障率で,(1 - 0.9)2は,装置が2台とも故障している確率である。
BとDの部分:1 - (1 - 0.8)2 = 1 - 0.22 = 1 - 0.04 = 0.96
※ (1 - 0.8) は,装置1台の故障率で,(1 - 0.8)2は,装置が2台とも故障している確率である。
である。この並列部分は直列に接続されているので,全体の稼働率は,
0.99 × 0.96 =0.9504
となる。
平成24年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問15
問 図のような,稼働率Pのシステムで構成された多重化システム全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,並列の部分は,どちらか一方が稼働していればよいものとする。
ア 1 - (1 - P)(1 - P2)2 | イ P{1 - (1 - P)4} |
ウ P{1 - (1 - P)2}2 | エ P{1 - (1 - P2)2} |
【解答】エ
【解説】
図より,並列部分の中のそれぞれの直列部分の稼働率は,
P2
なので,並列部分の稼働率は,
1 - (1 - P2)2
※ (1 - P2) は,並列部分の中のそれぞれの直列部分の故障率で,(1 - P2)2 は,並列部分の中の直列部分が2箇所とも故障している確率である。
である。この並列部分と左のシステムは直列に接続されているので,全体の稼働率は,
P{1 - (1 - P2)2}
となる。
平成22年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問16
問 稼働率が0.9の装置を複数個接続したシステムのうち,2番目に稼働率が高いシステムはどれか。ここで,並列接続部分については,少なくともどちらか一方が稼働していればよいものとする。
ア | イ |
ウ | エ |
【解答】エ
【解説】
ア 0.9 × 0.9 = 0.81
イ 1 - (1 - 0.9)2 = 1 - 0.12 = 1 - 0.01 = 0.99
※ (1 - 0.9) は,装置1台の故障率で,(1 - 0.9)2は,装置が2台とも故障している確率である。
ウ アのシステムが並列接続になっていると考えられるので,
1 - (1 - 0.81)2 = 1 - 0.192 = 1 - 0.0361 = 0.9639
エ イのシステムが直列接続になっていると考えられるので,
0.99 × 0.99 = 0.9801
(令和4年度) 基本情報技術者試験 サンプル問題 科目A 問14
平成31年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
平成28年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問14
問 図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。各装置の稼働率が表のとおりであるとき,このシステムの稼働率を表す計算式はどれか。ここで,クライアントは3台のうちどれか1台が稼働していればよく,プリンタは2台のうちどちらかが稼働していればよい。
ア ab3c2 | イ a (1 - b3) (1 - c2) |
ウ a (1 - b)3 (1 - c)2 | エ a (1 - (1 - b)3 ) (1 - (1 - c)2 ) |
【解答】エ
【解説】
問題文より,サーバー,クライアント,プリンタは,最低でも1台稼働していればよいので,これを図にまとめると,次のようになる。
この図より,クライアント(並列部分)の稼働率は,
1 - (1 - b)3
※ (1 - b) は,クライアント1台の故障率で,(1 - b)3 は,クライアントが3台とも故障している確率である。
である。また,同様に,プリンタ(並列部分)の稼働率は,
1 - (1 - c)2
である。サーバー,クライアント(並列部分),プリンタ(並列部分)は直列に接続されているので,全体の稼働率は,
a (1 - (1 - b)3 ) (1 - (1 - c)2 )
となる。
平成24年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問17
問 図に示すシステム構成全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,システムが正常に稼働するためには,磁気ディスクは2台とも正常でなければならず,それぞれのサイトで少なくとも1台の端末は正常でなければならない。
ア D2C(1 - T2)2 | イ D2C(1 -(1 - T)2)2 |
ウ (1 -D)2C(1 - T2)2 | エ (1 - D)2C(1 -(1 - T)2)2 |
【解答】イ
【解説】
磁気ディスク全体の稼働率は,2台とも正常でなければならず,直列接続であると考えられるため,
D2
となる。また,各サイトの稼働率は,それぞれのサイトで少なくとも1台の端末が正常であればよく,並列接続であると考えられるため,
1 - (1 - T)2
※ (1 - T) は,端末1台の故障率で,(1 - T)2 は,端末が2台とも故障している確率
となり,サイト全体では,直列接続であると考えられるため,
(1 - (1 - T)2)2
となる。よって,システム全体の稼働率は,磁気ディスク全体とCPU,サイト全体が直列接続であると考えられるため,
D2C(1 -(1 - T)2)2
となる。
まとめ
今回は,情報処理技術者試験の過去問(システム構成要素-システムの性能評価と信頼性)を集めて,シンプルにまとめてみました。みなさん,どのくらい解けましたか?はじめは難しく感じると思いますが,繰り返し解くことにより,少しずつ理解できるようになると思います(8割以上(できれば9割以上)解けるようになるまで頑張りましょう)。また,解けるようになっても時間が経つと忘れることもありますので,たとえば,1週間後とか,1か月後とかに,また,やってみてください。