情報処理技術者試験(今のところは基本情報技術者試験)の過去問(基礎理論-応用数学)を集めて,シンプルにまとめています。確率,統計(平均値,分散・標準偏差,正規分布),極限値,グラフ理論(有向グラフと無向グラフ,隣接行列),待ち行列理論(M/M/1モデル)などについて,理解度を確認することができます。解けなかった問題や,完全に理解できていない問題については,【参考】にあるリンク先ページを読んで,もう一度,解いてみてください。難しい問題もあると思いますが,繰り返し解くことにより,だんだんと身に付いてきますので,根気よく頑張りましょう。
- 平成30年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問2
- 平成27年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問2
- 令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問6
- 平成28年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問2
- 平成21年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問1
- 平成27年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問3
- 平成26年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問4
- 令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問5
- 平成22年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問3
- 平成23年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問3
- 令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問4
- 令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問3
- 平成24年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問3
- まとめ
平成30年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問2
平成27年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問2
問 図の線上を,点Pから点Rを通って,点Qに至る最短経路は何通りあるか。
ア 16 | イ 24 | ウ 32 | エ 60 |
【解答】エ
【解説】
点Pから点Rまでの経路と,点Rから点Qまでの経路は,それぞれ,
である。よって,
6通り × 10通り = 60通り
となる。
【参考】 | 「確率・統計-場合の数 -情報処理シンプルまとめ」 |
令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問6
問 Random(n)は,0以上n未満の整数を一様な確率で返す関数である。整数型の変数A,B及びCに対して次の一連の手続を実行したとき,Cの値が0になる確率はどれか。
A = Random(10)
B = Random(10)
C = A - B
ア 1100 | イ 120 | ウ 110 | エ 15 |
【解答】ウ
【解説】
Cの値が0になるためには,
A = B
でなければならない。
よって,A = Bとなる確率は,
10100 = 110
となる。
【参考】 | 「確率・統計-確率 -情報処理シンプルまとめ」 |
平成28年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問2
問 ある工場では,同じ製品を独立した二つのラインA,Bで製造している。ラインAでは製品全体の60%を製造し,ラインBでは40%を製造している。ラインAで製造された製品の2%が不良品であり,ラインBで製造された製品の1%が不良品であることが分かっている。いま,この工場で製造された製品の一つを無作為に抽出して調べたところ,それは不良品であった。その製品がラインAで製造された確率は何%か。
ア 40 | イ 50 | ウ 60 | エ 75 |
【解答】エ
【解説】
ラインA,Bで製造された製品の,製品全体に対する不良品の割合は,
A:0.6(60%)× 0.02(2%)= 0.012(1.2%)
B:0.4(40%)× 0.01(1%)= 0.004(0.4%)
となり,不良品の比率は,
A : B = 0.012 : 0.004 = 3 : 1
となる。
よって,無作為に抽出した製品が不良品で,それがラインAで製造された確率は,
33 + 1 = 34 = 0.75(75%)
となる。
【参考】 | 「確率・統計-確率 -情報処理シンプルまとめ」 |
平成21年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問1
問 N個の観測値の平均値を算出する式はどれか。ここで,SはN個の観測値の和(ただし,S>0)とし,[X]はX以下で最大の整数とする。また,平均値は,小数第1位を四捨五入して整数値として求める。
ア | イ |
ウ | エ |
【解答】エ
【解説】
小数第1を四捨五入というのは,
小数第1位の値が5以上 ⇒ 切り上げ
小数第1位の値が4以下 ⇒ 切り捨て
ということであり,これを[X](X以下で最大の整数⇒「小数第1位を切り捨て」という意味)を用いて求めるためには,Xの値に0.5を加えてから,小数第1位を切り捨てればよいことになる。よって,
となる。
【参考】 | 「確率・統計-統計 -情報処理シンプルまとめ」 |
平成27年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問3
問 次の例に示すように,関数f(x)はx以下で最大の整数を表す。
f(1.0) = 1
f(0.9) = 0
f(-0.4) = -1
小数点以下1桁の小数-0.9,-0.8,…,-0.1,0.0,0.1,…,0.8,0.9からxを等確率で選ぶとき,f(x+0.5)の期待値(平均値)は幾らか。
ア -120 | イ 0 | ウ 120 | エ 119 |
【解答】エ
【解説】
まず,f(x+0.5)の値を,実際に求めてみると,
f(-0.9+0.5) = f(-0.4) = -1
↓
f(-0.6+0.5) = f(-0.1) = -1
f(-0.5+0.5) = f(0.0) = 0
↓
f(0.4+0.5) = f(0.9) = 0
f(0.5+0.5) = f(1.0) = 1
↓
f(0.9+0.5) = f(1.4) = 1
のようになる。f(x+0.5) = -1となるのは4通り,f(x+0.5) = 0となるのは10通り,f(x+0.5) = 1となるのは5通りなので,f(x+0.5)の期待値(平均値)は,
-1 × 4 + 0 × 10 + 1 × 54 + 10 + 5 = -4+0+519 = 119
となる。
【参考】 | 「確率・統計-統計 -情報処理シンプルまとめ」 |
平成26年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問4
問 正規分布の説明として,適切なものはどれか。
ア 故障確率に用いられ,バスタブのような形状をした連続確率分布のこと
イ 全ての事象の起こる確率が等しい現象を表す確率分布のこと
ウ 平均値を中心とする左右対称で釣鐘状の連続確率分布のこと
エ 離散的に発生し,発生確率は一定である離散確率分布のこと
【解答】ウ
【解説】
正規分布は,統計学において利用される連続型確率分布である。正規分布の形は,平均μと標準偏差σによって決まり,N(μ,σ2)と表す。
※ 平均が0,標準偏差が1である正規分布を,標準正規分布といい,N(0,12)と表す
【参考】 | 「確率・統計-正規分布 -情報処理シンプルまとめ」 |
令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問5
問 平均が60,標準偏差が10の正規分布を表すグラフはどれか。
ア | イ |
ウ | エ |
【解答】ア
【解説】
平均が60,標準偏差が10の正規分布のグラフは,
となる。
平成22年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問3
問 表は,ある地方の天気の移り変わりを示したものである。例えば,晴れの翌日の天気は,40%の確率で晴れ,40%の確率で曇り,20%の確率で雨であることを表している。天気の移り変わりが単純マルコフ過程であると考えたとき,雨の2日後が晴れである確率は何%か。
ア 15 | イ 27 | ウ 30 | エ 33 |
【解答】エ
【解説】
雨の2日後が晴れである確率を,それぞれ求めると,
雨 晴れ⇒晴れ:0.3 × 0.4 = 0.12
雨 曇り⇒晴れ:0.5 × 0.3 = 0.15
雨 雨⇒晴れ:0.2 × 0.3 = 0.06
よって,
0.12 + 0.15 + 0.06 = 0.33(33%)
となる。
【参考】 | 「確率・統計-確率 -情報処理シンプルまとめ」 |
平成23年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問3
問 コンピュータで連立一次方程式の解を求めるのに,式に含まれる未知数の個数の3乗に比例する計算時間が掛かるとする。あるコンピュータで100元連立一次方程式の解を求めるのに2秒掛かったとすると,その4倍の演算速度をもつコンピュータで1,000元連立一次方程式の解を求めるときの計算時間は何秒か。
ア 5 | イ 50 | ウ 500 | エ 5,000 |
【解答】ウ
【解説】
100元連立一次方程式と,1,000元連立一次方程式の計算量は,それぞれ,
1003 = 1,000,000
10003 = 1,000,000,000
であるので,1,000元連立一次方程式の計算量は,100元連立一次方程式の計算量の,
1,000倍
であることが分かる。よって,100元連立一次方程式の解を2秒で求めるコンピュータの4倍の演算速度をもつコンピュータで,1,000元連立一次方程式の解を求めるときの計算時間は,
2(秒) × 1000(倍) ÷ 4(倍) = 500(秒)
となる。
■100元連立一次方程式
100元連立一次方程式とは,未知数の数が100個で,それぞれの未知数の次数が1である連立方程式のことをいいます。
【参考】 |
令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問4
問 a及びbを定数とする関数 f(t)= at+1 及び g(t)= bt2-t に対して,はどれか。ここで,a≠0,b≠0,t>1とする。
ア 0 | イ 1 | ウ ba | エ ∞ |
【解答】ア
【解説】
令和元年度 基本情報技術者試験 秋期 午前 問3
問 ノードとノード間のエッジの有無を,隣接行列を用いて表す。ある無向グラフの隣接行列が次の場合,グラフで表現したものはどれか。ここで,ノードを隣接行列の行と列に対応させて,ノード間にエッジが存在する場合は1で,エッジが存在しない場合は0で示す。
ア |
イ |
ウ |
エ |
【解答】ウ
【解説】
隣接行列の値を順に調べると,
なので,グラフは,
となる。
平成24年度 基本情報技術者試験 春期 午前 問3
問 隣接行列Aで表されるグラフはどれか。ここで,隣接行列とは,n個の節点から成るグラフの節点ViとVjを結ぶ枝が存在するときは第i行第j列と第j行第i列の要素が1となり,存在しないときは0となるn行n列の行列である。
ア | イ |
ウ | エ |
【解答】エ
【解説】
隣接行列の値を順に調べると,
なので,グラフは,
となる。
まとめ
今回は,情報処理技術者試験の過去問(基礎理論-応用数学)を集めて,シンプルにまとめてみました。みなさん,どのくらい解けましたか?はじめは難しく感じると思いますが,繰り返し解くことにより,少しずつ理解できるようになると思います(8割以上(できれば9割以上)解けるようになるまで頑張りましょう)。また,解けるようになっても時間が経つと忘れることもありますので,たとえば,1週間後とか,1か月後とかに,また,やってみてください。