ネットワークの性能計算の基礎まとめ【伝送時間・速度・効率・誤り率の求め方を解説】

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 ネットワークの性能を理解するためには,伝送時間,伝送速度,伝送効率,伝送誤り率といった指標を正しく理解することが重要です。これらは基本情報技術者試験をはじめとする情報処理技術者試験でも頻出の重要分野です。ネットワークの性能を表すこれらの指標の意味を,正しく理解できていますか?

伝送時間=データを送るのにかかる時間

伝送速度=回線でデータを送る速さ

伝送効率=回線速度に対する実効速度の割合

伝送誤り率=通信中にビット誤りが発生する確率

 ネットワークでは,回線速度だけでなく,制御情報の付加や通信機器の処理などによって実際の通信速度(実効速度)が変化します。また,通信環境によってはデータの誤りが発生することもあります。

 このページでは,ネットワークの性能計算の基礎として,伝送時間,伝送速度(回線速度と実効速度),伝送効率(回線利用率),伝送誤り率(ビット誤り率)の意味と計算方法をシンプルに整理しています。まずは各用語の意味を理解し,その後に練習問題にもチャレンジしてみましょう。

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ネットワークの性能とは(基本概念)

 ネットワークの設計時には,ネットワークの性能を正しく評価する必要があります。

伝送時間データを伝送するのにかかる時間。伝送時間=データ量÷実効速度
伝送速度回線速度回線を使用してデータを送る際の理論上の最高速度(伝送効率が100%の場合の速度=ワイヤースピード)
実効速度回線を使用してデータを送る際の実際の速度(実際の速度は,送信データに制御情報を付加することや,ノイズ,通信機器のオーバーヘッドなどにより(回線速度より)遅くなる)。実効速度=回線速度×伝送効率
伝送効率
(回線利用率)
回線速度に対する実効速度(実際の伝送速度)の割合。伝送効率=実効速度÷回線速度
伝送誤り率
(ビット誤り率)
送信データの中で1ビットのデータが正しく伝送されない(誤りである)確率。ビット誤り率=誤りであるデータ量÷データ量

※ bps(bits per second;ビット/秒)…コンピューター間の通信(伝送速度)に用いる単位で,1秒間に伝送可能なビット数を表す。10ビット/秒=1秒間に10ビット伝送可能

 各用語を,しっかり理解して次に進みましょう。理解が深まると思います。

伝送時間とは

 伝送時間とは,実際にデータを伝送するのにかかる時間をいいます。

伝送時間 = データ量 実効速度 = データ量 ( 回線速度 × 伝送効率 )

 たとえば,4Mbpsの伝送路(伝送効率は50%とします)を用いて10Mバイトのデータを伝送するために必要な時間(伝送時間)は,40秒となります。

伝送時間の計算例01に関する説明画像

練習問題(伝送時間)

問1 1.5Mbpsの伝送路を用いて30Mバイトのデータを伝送するために必要な時間(伝送時間)は何秒か。ここで,回線利用率を80%とする。

200秒

伝送時間の練習問題(問1)の解答に関する説明画像

問2 インターネット上にある540MバイトのファイルをPCにダウンロードするのに必要な時間は何秒か。ここで,LANの回線速度は100Mbps(回線利用率は80%),FTTHの実効速度は90Mbpsとする。また,制御情報やブロードバンドルーターの遅延時間などは考えず,インターネットは十分に高速であるものとする。

伝送速度の練習問題(問1)の問題に関する説明画像

54秒

伝送時間の練習問題(問2)の解答に関する説明画像

回線速度とは(理論速度と実効速度の違い)

 回線速度とは,回線を使用してデータを送る際の理論上の最高速度(伝送効率が100%の場合の速度=ワイヤースピード)をいいます。

回線速度 = データ量 ( 伝送時間 × 伝送効率 )

 たとえば,長さ500バイトのデータを1分間当たり30件送信(伝送効率は50%とします)したい場合,回線速度が4,000bps以上あれば伝送できることになります。

回線速度の計算例01に関する説明画像

練習問題(回線速度)

 長さ700バイトのデータを1時間当たり1,800件送信したい場合の回線速度は何bpsか。ここで,伝送効率は80%とする。

3,500bps

回線速度の練習問題(問)の解答に関する説明画像

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伝送効率(回線利用率)とは

 伝送効率とは,回線速度に対する実効速度(実際の伝送速度)の割合をいいます。

伝送効率 = 実効速度 回線速度

 たとえば,通信速度が4800bpsの回線で接続された端末間で,500バイトのデータ(転送時にデータ量の20%の制御情報が付加されるものとします)を2秒ごとに伝送する場合の伝送効率は50%になります。

伝送効率の例題01に関する説明画像

練習問題(伝送効率)

 通信速度が3600bpsの回線で接続された端末間で,900バイトのデータ(転送時にデータ量の20%の制御情報が付加されるものとします)を3秒ごとに伝送する場合の伝送効率は何%か。

80%

伝送効率の練習問題(問)に関する説明画像

伝送誤り率(ビット誤り率)とは

 ビット誤り率とは,送信データの中で1ビットのデータが正しく伝送されない(誤りである)確率をいいます。

伝送誤り率 = 誤りであるデータ量 データ量

 たとえば,通信速度が400bpsの回線でデータを連続送信したとき,平均で10秒に1回の1ビット誤りが発生したとすると,この回線のビット誤り率は,2.5×10-4になります。

ビット誤り率の例題01に関する説明画像

練習問題(伝送誤り率)

 通信速度が96kbpsの回線でデータを連続送信したとき,平均で100秒間に3回の1ビット誤りが発生したとすると,この回線のビット誤り率は何%か。

3.125×10-7

ビット誤り率の練習問題(問)に関する説明画像

まとめ

 今回は,ネットワークの性能を評価するための基本的な指標である,伝送時間,伝送速度,伝送効率,伝送誤り率について,それぞれの意味と計算方法をシンプルにまとめてみました。ネットワークの性能計算では,データ量と,伝送時間,回線速度,伝送効率の関係を正しく整理することが重要です。公式を丸暗記するのではなく,どの値を求める問題なのかを意識して計算できるようにしましょう。基本情報技術者試験などの情報処理技術者試験では,伝送時間や伝送効率の計算問題がよく出題されます。

理解が進んだら,基本情報技術者試験の過去問題にもチャレンジしてみてください。