システム企画の基礎まとめ

システム企画に関するブログのアイキャッチ画像 システム企画
広告

 システム企画は,企業の経営戦略やシステム戦略を具体的なシステムとして実現していくための出発点であり,基本情報技術者試験をはじめとする情報処理技術者試験でも頻出の重要分野です。企画から要件定義,調達に至るまでの一連の流れを,正しく理解できていますか?

システム企画=経営戦略・システム戦略を基に,システム化の構想から要件定義,調達までを具体化するプロセス

 システム企画では,システム化構想・システム化計画の立案を通じて全体像を描き,その後,要件定義で実現すべき内容を明確化し,調達計画・実施で具体的なシステムの導入へとつなげていきます。これらの流れは独立したものではなく,一連のプロセスとして理解することが重要です。

 このページでは,システム企画の全体像から,企画(システム化構想・計画),要件定義(業務要件・機能要件・非機能要件),調達計画・実施(RFI・RFP)まで,試験対策として重要なポイントをシンプルに整理しています。

 初学者の方や,基礎を体系的に復習したい方に向けたまとめページです。

広告

システム企画とは

 システムの企画は,経営戦略と情報システム戦略を基に行います。

システム企画の流れに関する説明画像

※ 経営戦略の詳細は,「経営戦略マネジメントの基礎まとめ」を参照

※ システム戦略の詳細は,「システム戦略の基礎まとめ」を参照

※ システム開発や共通フレーム2013の詳細は,「システム開発プロセスの基礎まとめ」を参照(システム企画の内容は,共通フレーム2013の企画プロセスや要件定義プロセスに当たる)

企画とは(構想〜計画の流れ)

システム化構想の立案(対象・承認・体制)

 システム化構想の立案では,対象となる業務の明確化や,新しい業務の全体像の作成,システム化構想の承認,推進体制の確立などを行います。

システム化計画の立案(計画・承認・効果)

 システム化計画の立案では,システム化構想の立案を基に,実現性を考慮したシステム化計画を策定し,利害関係者の合意を得ます。

  • 新しい業務モデルの作成

※ システム化の範囲などを明らかにする

  • 全体開発スケジュールの作成
  • 開発体制の検討
  • 投資効果の検討

※ 開発や運用にかかるコストを算出 ⇒ 得られる効果を算出

※ ITポートフォリオ…(企業などが情報システムなどに投資をする際に)情報資産の配分を適切に行う方法

  • リスク分析
  • システム化計画の承認

広告

要件定義とは(目的と範囲)

 要件定義では,(利用者などの)利害関係者のニーズや要望,制約条件を整理し,実現すべき要件(業務要件,機能要件,非機能要件)を定義します。要件定義書には,(例えば)次のような項目を記載します。

※ プロセス開始の準備 ⇒ 利害関係者の識別 ⇒ 要件の識別 ⇒ 要件の評価 ⇒ 要件の合意 ⇒ 要件の記録

※ 要件定義書は,RFP(提案依頼書)などから作成する。RFPの詳細は,後述

要件定義書の目次の例に関する説明画像

業務要件とは(業務目標と流れの定義)

 業務要件とは,新たに実現すべき業務の流れを定義したものをいいます。業務内容に合わせて,業務が達成すべき目標などを記載します。

機能要件とは(機能・動作の定義)

 機能要件とは,システムが備える機能や動作を定義したものをいいます。処理内容や,データの種類,システムの操作方法などがあります。

非機能要件とは(可用性・性能等)

 非機能要件とは,システムに求められる要件のうち,機能要件以外のものをいいます。

カテゴリー具体例
可用性システムの稼働率を99.9%以上に維持する
障害発生から10分以内に復旧できるようにする
性能・拡張性Webページを3秒以内に表示するようにする
アクセス数が増えても,サーバーの増設のみで対応できるようにする
運用・保守性障害発生から3分以内にアラート通知を自動送信するようにする
ログは1か月間保管するようにする
移行性旧システムから新システムへのデータの移行を3時間以内に完了するようにする
セキュリティすべての通信をHTTPSにする
ユーザー認証を多要素認証にする
システム環境・エコロジー夜間は自動的に縮退し,消費電力を30%削減する

 要件定義書に決まった様式はないのですが,イメージが湧かないとモヤモヤする人もいると思いますので,学習用に例を載せる予定です。

※ 要件定義書の具体例は別ページで解説予定です

広告

調達計画・実施とは(全体の流れ)

 調達計画・実施では,システムを調達するための調達計画を策定し,その計画に基づいてベンダーを選定し契約します。

※ 調達方法には,自社で調達する方法と外注する方法がある。ここでは,外注する方法について説明する

  • RFIを作成し,調達先として検討中のベンダーに提示し,回答を得る
  • RFPを作成し,調達先として検討中のベンダーに提示し,提案書を得る

※ RFP作成時に,調達先を決定する基準を作成し,調達先候補を絞り込む

  • 提案書を評価して調達先を選定し,契約する

RFI(Request For Information;情報提供依頼書)とは(情報収集の目的)

 RFIは,ベンダーの基本情報や,製品やサービスの概要,技術的な実現性,導入スケジュール,コスト,セキュリティなどに関する情報を集めるために作成します。

※ システムの実現可能性や,技術的な問題,費用などが把握できる

RFP(Request For Proposal;提案依頼書)とは(提案依頼の目的)

 RFPとは,要件定義に基づき,具体的なシステム構成や,調達範囲,スケジュール,費用などの提案を依頼するために作成します。

まとめ

 今回は,システム企画について,全体の流れを意識しながらシンプルにまとめてみました。システム企画は,「企画(構想・計画)→要件定義→調達」という一連のプロセスとして理解することで,知識を整理しやすくなります。特に重要なのは,企画段階でシステム化の方向性と投資効果を明確にし,要件定義で「何を実現するのか(業務要件・機能要件・非機能要件)」を具体化することです。そのうえで,RFIやRFPを通じて適切なベンダーを選定する流れを押さえておきましょう。試験でも頻出の分野のため,確実に得点源にしたい分野です。

 理解が進んだら,基本情報技術者試験の過去問題等にもチャレンジしてみてください。

広告