基本情報技術者試験の科目Bのサンプル問題を題材に,PaaS環境における脆弱性対策について学習します。この問題では,脆弱性が存在する場所に応じて,どの組織が対処するのかを確認します。
(令和4年度4月公開) 基本情報技術者試験 サンプル問題 科目B 問6
(令和4年度12月公開) 基本情報技術者試験 サンプル問題 科目B 問17
問 製造業のA社では,ECサイト(以下,A社のECサイトをAサイトという)を使用し,個人向けの製品販売を行っている。Aサイトは,A社の製品やサービスが検索可能で,ログイン機能を有しており,あらかじめAサイトに利用登録した個人(以下,会員という)の氏名やメールアドレスといった情報(以下,会員情報という)を管理している。Aサイトは,B社のPaaSで稼働しており,PaaS上のDBMSとアプリケーションサーバを利用している。
A社は,Aサイトの開発,運用をC社に委託している。A社とC社との間の委託契約では,Webアプリケーションプログラムの脆弱性対策は,C社が実施するとしている。
最近,A社の同業他社が運営しているWebサイトで脆弱性が悪用され,個人情報が漏えいするという事件が発生した。そこでA社は,セキュリティ診断サービスを行っているD社に,Aサイトの脆弱性診断を依頼した。脆弱性診断の結果,対策が必要なセキュリティ上の脆弱性が複数指摘された。図1,図2にD社からの指摘事項を示す。
設問1 図1中の項番(一)~(三)それぞれに対処する組織の適切な組合せを,解答群の中から選べ。
解答群
(一) | (二) | (三) | |
| ア | A社 | A社 | A社 |
| イ | A社 | A社 | C社 |
| ウ | A社 | B社 | B社 |
| エ | B社 | B社 | B社 |
| オ | B社 | B社 | C社 |
| カ | B社 | C社 | B社 |
| キ | B社 | C社 | C社 |
| ク | C社 | B社 | B社 |
| ケ | C社 | B社 | C社 |
| コ | C社 | C社 | B社 |
設問2 図2中の各項番それぞれに対処する組織の適切な組合せを,解答群の中から選べ。
解答群
項番1 | 項番2 | 項番3 | |
| ア | A社 | A社 | A社 |
| イ | A社 | A社 | C社 |
| ウ | A社 | B社 | B社 |
| エ | B社 | B社 | B社 |
| オ | B社 | B社 | C社 |
| カ | B社 | C社 | B社 |
| キ | B社 | C社 | C社 |
| ク | C社 | B社 | B社 |
| ケ | C社 | B社 | C社 |
| コ | C社 | C社 | B社 |
【解答】設問1:オ 設問2:カ
【解説】
設問1:
それぞれの脆弱性が,どの部分に存在するかに着目する。
(一) DBMSの脆弱性 ⇒ PaaS上のDBMSなので,B社が対処する
(二) アプリケーションサーバのOSの脆弱性 ⇒ PaaSの基盤であるOSなので,B社が対処する
(三) ログイン機能の脆弱性 ⇒ Webアプリケーションの脆弱性なので,契約によりC社が対処する
設問2:
それぞれの脆弱性が,どの部分に存在するかに着目する。
項番1 アプリケーションサーバのOSの脆弱性 ⇒ PaaSの基盤であるOSなので,B社が対処する
項番2 クロスサイトスクリプティングの脆弱性 ⇒ Webアプリケーションの脆弱性なので,契約によりC社が対処する
項番3 DBMSの脆弱性 ⇒ PaaS上のDBMSなので,B社が対処する
| 【参考】 | 「システム戦略の基礎まとめ(クラウドサービスとは)」 |
この問題のポイント
この問題から学べることは,
- PaaSにおけるサービス提供者と利用者の役割分担
- PaaS上のDBMSやOSの脆弱性は,PaaS提供者が対処すること
- Webアプリケーションの脆弱性は,Webアプリケーションの開発・運用を担当する組織が対処すること
- 脆弱性が存在する場所に着目して,対処する組織を判断する方法
です。特に,PaaSでは,サービス提供者と利用者で管理する範囲が異なるため,脆弱性がどの部分に存在するのかを確認して,対処する組織を判断することを理解しておきましょう。
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